「自分たちはこんなことをやっている」も大切ですが、それ以上に何をやらないかが重要だと考えています。
美容室はサービス業なので、新しくやることはゲストのためになればの思いが大前提あります。
ですが、色々やり過ぎて手段が目的化することもしばしば。逆効果になり居心地の悪さを与えてしまうこともあるよなと。
その積み重ねが美容室苦手の人を増やしている気がして、kitsukiではやらないことをはっきりとさせています。
大きく4つあります。そちらをお話していきますね。
キャンペーンやらない
「年末シャンプー○○%オフ!」「最新ドライヤー!」みたいな販促キャンペーンはやりません。
理由は、欲しい方は自分で言ってくれるし断れない空気感が美容室にはあると思っているからです。
今日作ったヘアスタイルに必要なものはおすすめしますが、キャンペーンだからおすすめするのはこちらの都合なのかなと。
美容室を楽しんでほしいなと思うと、楽しめない要素はなるべく無くしたいなと感じます。そのひとつが、販促活動。
それにいいデザインを作ることが一番の販促活動だと思うので、商品を必要以上に語らず髪型を通じて感じてもらえる努力をしていきたいと思います。
トリートメントやらない
kitsukiにはトリートメントのメニューがありません。
ヘアケアがいらないわけではなくそれならホームケアにお金を使ってもらった方がいいのではと考えるからです。
意味がないわけではなくやるともちろんきれいに仕上がります。美容室帰りはもちろんサラサラです。
ヘアケアには色んな考え方があるのでどれが正しい間違ってるではありません。その中で、値段の割に実感する期間が短いのでやらないくていいかなと思いました。
サラサラにしたりきれいに見せるのではあれば自宅でのシャンプーやオイルなどを髪に合うものを使い乾かしてもらえば同じくらいの質感になることがほとんどです。
それよりもいかに負担をかけずにできないものか。
必要ない施術はしない、無理なカラーをしない、切れ味の悪いハサミは使わないなど、そもそも髪に負担を与えない心がけの方が大切だと思っています。
クーポンサイトやらない
集客サイトはとても便利だしゲストからしてもお得が多いツールです。過去にスタッフ全員経験してきて魅力もよくわかっています。
ですが、特性上たくさん集客できたり高いプランにしたり売上をたてるお店の方が有利になりやすい。
kitsukiのような予約数に限りあるマンツーマンでやる場合相性が悪く、コストのわりに成果を得られません。
またクーポンでの値下げが当たり前になっています。自分たちの価値を下げることは既存のゲストに失礼だと思うし、それに見合うだけの時間を過ごしてきているので正規料金でやっていきたいなと思っています。
便利なのは百も承知ですが、やっていない良さをゲストは感じてくれているので、そこを大事にしていきたいですね。
嘘つかない
できないことはできない、やらない方がいいことはやらない、わからないことはわからない。無理したり虚勢を張っていいデザインを作るのは難しいと感じてます。
理想の髪型にするには、それに合う髪の状態か見極めが必要です。時には時間をかけて生え替わらせなくてはなりません。
パーマをかけようと思ったけど必要なさそうならやらないし、スタイリングが大変になってしまうものもやめた方がいいと言う。
逆に、本当に似合うと思った髪型は提案するしゲストの想定外のデザインもすすめたりします。
嘘をつかないことはプロとしてきちんと意思を伝えることだと思うので、任せてもらう以上責任を持ちたいところです。
シンプルな美容室に
美容室は髪を切る場です。
美容師はデザインを作り、ゲストはそれで日々を気持ちよく過ごす。そこをきちんとやっていきたいと思います。
技術職でもあるし接客業でもあるため、やろうと思うと色んなことができます。時にそれが必要なこともあるけれど、やることが目的にならないようにしなきゃなと感じます。
あくまでデザインを作り喜んでもらう。やらないことを守りいい空気感の美容室でいたいと思います。